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2005年2月16日
☆10代のぜんぶ
博報堂の若手社員の方2名が行った10代への調査をまとめた1冊です。
調査対象は主に首都圏の中高生。前半は「女の子のぜんぶ」、後半は「男の子のぜんぶ」。

10代の人たちは、物心ついたときには既にバブル崩壊不景気リストラの世の中だったんですよね。
調査結果が物語るように、まわりが夢を語れない世の中に育ったのででかい夢なんてもってないです。
自分の生活を確保すること、居心地よくすること、ぐらいでしょうか。
女の子の結果では「悩みは誰にも話さない」という意識が高いのに驚きました。
私の世代だと、悩みを話すこと、話してもらえることが友達のあかしだったように思うのですが、今はどうも違うらしい。
男の子のもつ友達の平均数が56人という結果には笑いました。マジかい!って。
ここまで人間関係を広げられるインターネットツールは凄いね。
でもその結果は、ほかの調査にみられた「友達づきあいは疲れる」「場の空気が読めない人は友達にしたくない」「男との付き合いも女との付き合いもそれほど変わらない」という冷め切った結果につながっているように思います。これ、昔だったら大人のいうセリフですよね。
なんかねー、この世代は基本的に誰にも寄りかからず生きていきたいのかもしれません。
でもそれは一人でこの世の荒波に負けずに生き抜くってことじゃなくて、なんていうかな、もっと飄々としてるイメージ。
友達がいっぱいいたほうが面白いし寂しくないからいいんだけど大事なときはひとりでもいいや、みたいな。

途中出てきた慶応大1年生のギャル男のコメントがガツンと来ます。
「基本的に恋人づきあいはめんどくさいから、彼氏であることを求めてくる女とはそんなにHもしない。逆に最初から遊びのつもりで近づいてくる女は、自分に何の役割も求めてないからスゲー楽。だからそういう時はここぞとばかりにうちまくります。(うつ=セックスをする)」
これが時代の潮流ですよとは決して言わないけど(笑)、この子みたいに本音を淡々と語れる人って10代に多い気がします。
大人の世代は建前に片寄ったり、あるいは大げさに本音をしゃべったりしますけど、いまの10代の子たちは自分の意識をそのまま語れます。
これはちょっとうらやましい。
「本音しゃべっちゃいます!」「ぶっちゃけ言っちゃっていいですか!?」などの前置きもなく、フツーにしゃべれるという感覚って、のちに強みになりそうにも思えてきます。
自分の考えは、それ以上でもそれ以下でもないということを実はこの子たちが一番よく知ってたりしてね。

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