ようやくパソコンに疎い方々にもその名を知られるようになった「ブログ」。
いまや個人HPはブログの世界ですよね。ということを昔チャットで話したら「そもそも個人が書き連ねたもの自体をブログというのだから、ブログそのものは昔からあったのだ」と軽くお説教をくらったことがありましたが、ともかく個人でHPを開設することがとてもカンタンな世の中になりました。
前にも似たようなことを書きましたが、カンタンに自分ワールドを公開できるということは、全世界ネット放送の「俺(あるいは私)コーナー」ができるということです。
エロい映像やグロい映像を載せると制限をかけられてしまう可能性もありますが、文章をつらつら書くだけならanytime/anyone/anythingほとんどオーケーな世界です。
チャットや掲示板も隆盛を極めています。
こちらは、自分の表現(そんな大層なものではなくても、何か言いたいーとか)+「誰かとつながりたい」という欲求にかられているのかもしれませんね。
人によっては「誰かとつながりたい」どころではなく「だ、誰かとつながりたいぃぃいぃ!!」という欲求がひしひしと伝わってくることもあります。
ここ近年、自分を含め多くの人がこういうネットでの表現+コミュニケーションができる世界にどっぷりはまっております。

でね、最近また気づいたことがあります。
なりたい自分をネット上で上手に表現している(と分析されちゃってる時点で「上手」なのかどうなのか??という疑問は置いといて。ちょっと笑うけど)人が多いって話は前に書いた気がします。
自分を表現するには、まず自分のパーソナリティーを自分で言わなければなりません。俺ってこういう人だから、私ってこういう人だから、という言葉遣いがここ数年でものすごく普及化した背景には「だって、ネットだと自分から言わなきゃわかんねーもん!」という意識があったことが大きいんじゃないでしょうか。
俺は○○なやつなので、とか、私って○○だから、という表現が自分ワールドの第1歩となります。というわけで生まれた最近の自称天国(笑)。
自称破天荒くんとか自称バカとか自称カッコメンとか自称マニアック系とか自称のほほん系とか自称恋愛至上主義とか(ちなみにこういう人は、実質面では恋愛至上主義よりもむしろ恋愛体験依存症といったほうが近いかもしれないね。ぎゃは!)自称小悪魔ちゃんとか自称Sとか自称Mとか、うんぬんかんぬん。
いっぱい見たことがあるでしょう。みなさんも。

で、自称で称する「ネットで出す自分」と、日々寝て食べて働いて勉強してる「素の自分」の差がどうしても気になるわけです。
たまに、すごい差だ!と感じるブログに出会うと「あんたさぁ!」と心で突っ込みつつも「やっぱり人間だよね〜」と笑っちゃうわけです。
抽象的過ぎて何を言ってるのかわかりにくいですね。
例をあげます。
☆「のほほん人間」とブログで言いつつも、他人の言動がいちいち気になったりちょっとしたことにイラついたりする記述が多く、心が休まってないのねぇと同情したくなるような人。のほほん人間は同時に鈍感人間でもあるので、あんたの対極です。
☆魔性の女(最近すごく多いのでこの国にはそのうち呪いがかかるかもしれませんよ。笑)とブログで言い、自分の上を通り過ぎていく男との経験を語る人(男ではそういう人あんまりいないですね)。それも、日々語る人。日々だよ!あんた、魔性とか言ってるわりには毎日更新するなんてマメじゃん!!
ミステリアスな魅力を毎日毎日コツコツと読者にお届けしている姿が可憐に見えます。ぷぷぷ。
☆ちょいグロで人工的でプリティーな魅力(アナスイみたいなのを想像してくださいね)を演出しつつも、実際に会うと「お前、前世は草食動物だったんじゃないか??」と聞きたくなるほどあっさりのっぺりとした外見の人。自分に欠けているものを渇望する姿勢が素直すぎるほど素直です。

こういう、自己表現をしながらどこかでコケている人を目の当たりにすると、「かわいい!」って思いませんか?
なんかこう、隠したいけどついつい素の自分が見えてしまってる姿と重なって、「それでも俺(私)はこんな人になりたいんだよー!!」という心の叫びや頑張りが伝わってきます。だから、あたたかく見守りたい気持ちになったりするんですよ。
でも、もちろんそこで本人に「あんた、なりたい姿に向かって頑張ってるね!」と言おうものなら平手打ちをかまされるかシカトされるか玉砕攻撃のメッセージが来るのがオチでしょう。
だって、それが図星だから。うひひ。
本人にとっては、あたかもそれが素の自分であったかのようにネットで自己表現するのが目的なわけですから、「自己表現を(難しいながらも)頑張ってるね!」というような泥臭い評価は絶対受けたくないのではないでしょうか。

先の人々が評価されるとすれば、例えばこんな評価だったら喜んで受けると思います。
「あなたってホントにのほほんとしてて、あなたのブログを読むたびに心が休まります。癒し系だねぇ。」
「あなたのミステリアスな魅力にはまってみたいよ。魔法と媚薬の力はどんな男に効くのかな?」
「ちょっと残酷で超ヵヮィィ♪今度ゎその濡れた瞳でぁたしを誘惑してくださぃね☆」
無理無理。無理(笑)。こんなこと言えませんて。
だって、素のあなたが文章のすき間から見えてますよ。

自分の伝えたい個性を思い通りに相手に伝えるのって難しいですね。
でも、相手の伝えたい個性をそのまま感じることも同じぐらい難しいんです。にやにや。
長文失礼いたしました。

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