本を読む

2005年7月22日
「働こうとしない人たち」(中公新書ラクレ)
久々に紀伊国屋の新書コーナーをうろうろしたら、そそられるネーミングの本がありました。
(ちなみに中公新書ラクレの棚は、ほかにも「オレ様化する子どもたち」とか「ぷちナショナリズム症候群」とか、なかなかタイムリーで面白げな名前の本がいろいろありました。)
働いていない人っていうと、以前は雇用状況が厳しくて職に就けないでいるか、あるいは仕事をして報酬で食べていくことに人生の大部分を使うことを疑問に思っている人(そういう人は自給自足生活をしたりとか芸術系に走ったりとか…)だったように思います。
なんていうのかな、体裁はどうであれ「がんばってる人」っていうイメージをもってました。働けない・働かない自分が生活をするために、現実に対してがんばってるんですよね。

今は、そういう人ももちろんいるんですけど、「働いていない」の背景に「働きたくない・働こうとしない」っていう意識があったりするんじゃないかなぁ。文部科学省はニート減少のためにものすごく一所懸命になって職場体験とかキャリア教育とかすすめてますが、効果が出るといいですね。

で、この本。
著者は働こうとしない人々を2タイプに分けています。
☆やりたいことがなさすぎる(依存性)
☆やりたいことにこだわりすぎる(自己愛性)
別にやりたいことがなくても「とりあえず、なんか仕事探した方がいいよね」って思って求人雑誌を見たり、あるいは自分のやりたいことにこだわるためにその方面の人と接触したり、自分の力を試してみたりと、外の世界にアクションを起こしている人は本書では触れていません。問題ないから。

本書では何人もの「やりたいことがなさすぎるorやりたいことにこだわりすぎる」人が出てきます。
共通しているのは子どもっぽいこと。
具体的には職にこだわるくせに何も努力をしてないとか、自分は何もしてないくせに他人の身分ばかりが気になるとか。ひとりじゃ何もできないっていうかしたこともないくせに、周囲の大人にむやみに反発ばかりするとか。
行動がしょぼい割に他人の前で自分をかわいがるのは、子ども大人の特徴です。

著者はカウンセラー。苦労も多いでしょうね。この本読んでてホントそう思う。

コメント