ドキドキ読書タイム

2005年11月22日
タイトルはどうでもいいです。
1ヶ月にかける書籍代のことを考えると少し不安が頭をよぎりますが、食欲と知識欲以外はほとんど無欲に近いので、生活は何とか成り立っています。
先日ふと、自分が真冬用の上着しか持っていなかったということに気づき「初冬は何を着てたっけ…汗」と思いながらユニクロで薄手のコートを買いました。寒さを覚えて初めてこんなことに気づくなんてピュアだよね、ボク…。
とまあ、言い訳がましいコトバを枕にこんな本を購入そして読了。

☆下流社会

ほんのちょびっと前のベストセラーですね。いうなれば「さおだけ屋」と「生協の白石さん」の間に売れた本です。
「ニートだの自分探しがどうのってこのやろー、食い扶持稼いでからものを言え!!」という若者への思いをたどりながら読む予定が…いやはやもー内容が暗くて暗くて。身につまされるものがありました。

私らが年をとる頃には、この国はイギリスみたいに資本主義原理に忠実な貧富の差が出てくるかもよー、とのこと。
…というのも、いわゆる上流の人々のライフスタイルが今と昔じゃかなり違ってるんですよね。
昔は「金持ち=ヒマ」という図式が頭の中にあった気がしますが、今では違うと。
じゃあ年収の多い上流の人々は何をしているのかといいますと、例えば会社の総合職とかベンチャーの経営者とか、とにかく自分が有能に労働せざるを得ないポストにいるので、「自分らしさって何だろう」てなことを考える暇もなく、あくせくと働いているんですよ。まさに「金持ち暇なし」状態?
で、それとは対照的に労働時間も少なく収入もちょびちょびで、自分のポストの重要性もそれなりないわゆる下流の人(いやだなーこの言い方w)が、自由な時間を持て余すということ。

それに付け加えて、不景気で採用形態がフレキシブルになったりとか、理想の暮らしが多様化してきたりとかで、みんなが自分の身の振り方を自分で決めないとどんどん振り落とされてしまう時代になってきたわけです。
これを政府のえらい人は「希望格差社会到来ですよ!なりたい自分になれますよ!」と言うてますが、別に何にもなりたくないよって人とか、今さらそんなことを言われても困りますって人は、ずんずんと下流にいく可能性があるから、後で苦労するかもよ!!と著者は警告しています。

「そんなコト学校では誰も教えてくれなかった!君たちの未来には希望があるとか言われたし!大人ってズルイ!!」と、嘆くあなた。
そんなあなたは、
「ろくすっぽ勉強もしてこなかった奴に限って、自分で自分の尻も拭けませんみてえなことを平気でわめいてやがるんだよなぁ…わかるかぁ?てめぇのことだぜ?」みたいなセリフで、ドラゴン桜の先生にいびられるかもしれませんよ。

暗いことばかり書きましたが、著者が最後に示した下流社会への打開策は「教育の機会均等」でした。
なりたい自分を生きるのに不自由がないだけの高等教育は、みんなが自由に受けられたほうがいいよマジで!…ということでとりあえず国公立大学の授業料無料化を著者は提言。
いきなり無理無理な目標で萎えてしまいそうですが(w)、
でも冗談抜きで政府はどこかの国際機関に「日本の国立大授業料は高すぎるので、なんとかしなさいね」っていう警告を受けてるんじゃなかったっけな?確か。
スウェーデンの大学を目標にしていただきたいですね。タダなのはもちろん、社会人経験が受験の点数に上乗せされるシステムなので、年配の学生も普通にいたりするらしい。

うーむ、やっぱりこれは若い人たちに「あんたら、賢くなりなさいよ」と諭しているような本ですね。
言われたこと以外やっちゃいけないけど、それを頑張れば稼げた時代。
やりたいようにできるけど、結果が全部自分に返ってくる時代。
どちらが好きですか?
じゃ、どちらが望ましいですか?
そいじゃ、どちらが楽ですかね?
…全部答えが違ったりして(笑)。
今の人たちって、そんなにタフじゃないと思うんだけど、大丈夫かなぁ。私も含めて。

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