教科書ぉぉぉーー

2006年12月14日
今週学習参観があり、4年生の保健学習をTTでやりました。
4年生の保健といえば、知る人ぞ知る「性教育」!!
男女の体の発達に加え、初経と精通、そして異性へのめざめといった内容で、指導をするこっちとしてもかなり面白いです。
何が面白いかって?
子どもたちのホントに知りたいことがぎっちり詰まっているから、教える側としても手ごたえを感じるんですよ。

それまで性教育を難しいものととらえていた私は、以前同じようにあった性教育の学習参観を経験し、「うわ!性教育って面白っ!!」と感じました。それから性教育大好き人間になっちゃったのよねん。
授業では子どもたちの本音が飛び交い、時に下ネタに走ってドッと盛り上がったりすることもあり。
でも、子どもたちの顔は終始、実に真剣です。
う〜ん素敵。

……というのはまぁ置いといて。
今年も性教育やったるで!と意気込み、TTの先生とともに教科書と指導書を検討しました。
すると、ここ2年ほどの間に教科書の内容がガララララーッと変わっていたことに気づいたんです。
「精子と卵子は赤ちゃんのもとと位置付けず、単なる用語として扱う」「ペニス・ワギナの用語は使用しない」「月経のしくみは詳しくやらない」等々、、、

まままマジで!!
知ってる人は知ってる事実ですが、日本の性教育は最近ものすごーーく慎重になってきています。
どのくらい慎重かというと、以前なら「この内容をやりましょう」とモデル的に示されていた指導計画が、今だと「この内容以外絶対やってはいけません」という規制的位置付けになりつつあります。
発展的なことは一切禁止!っぽい感じ。
詳しくは書きませんけど、政治的なものや宗教的なものまでからんでる問題です。(ウィキペディアで「性教育」をひくと、その混乱ぶりがわかります。)
この政治的な流れのため、特に東京都あたりの性教育は以前の真逆みたいな方向を突き進んでます。
「教えちゃうと子どもたちが実行に移して性道徳が乱れるから、そんなに教えちゃダメ!」的な考えですね。今は。
かつて東京が先陣を切って実現への取組を行った「ジェンダーフリー」とか「リプロダクティブ・ヘルス&ライツ」等の概念は今や、政治的異端者扱いされてたり、「なかったもの」に近い扱いになったりしてることもしばしば。
日本のモデルだったのが、どうなっちゃったんだ、という怒りの声も出ているようです。
その一方で「これで純潔教育が復活した!日本の未来は明るいぞ」と喜んでる声もあがっているのが現実です。

いやはや。子どもはどうなるんだろう。
今回の授業の後、懇談会で「お子さんと日頃関わってて、性に関することで話したりしますか?」っていう話題でしゃべっていたら、やはり
「『赤ちゃんはどこからくるの?』って質問される。もう4年生だから、適当なことを言っても信じてくれないんですよね…」という意見が集中しました。

やっぱり!
そこを上手にフォローするのが小学校の性教育なのに〜〜。
今回の教科書改訂で、大人たちは子どもたちの素朴な疑問を上手に避けています。(いや、見透かしてる子もいるので、上手とはいえないかもw)
例えば、射精と月経について教えるとき、下手に精子と卵子の機能に触れてしまうと「じゃあ赤ちゃんはどうやってできるの!」と聞かれちゃうから、それについての話題は最初からなし、っていう展開とか…。
今までみたいに「赤ちゃんのもとをつくり始めるんだよ!」って教えた方が、自分の体に興味がわくんじゃないかなぁ?実際、興味をもたせた方が自分の体を大事にすると思うけどなぁ。
子どもの疑問を正面からかぶる職業柄、正直言って今までになく教えづらい教科書でした。
でもちゃんと教えましたよ教科書どおり。
だって、内容を違反してないか調査が来るんだもん(汗)。

前首相が「私らの頃は、性教育なんてなかったけど、なんとかなってるしねぇ」みたいなことを言ってましたよね。
マスコミやインターネットがこれだけ日常化して、大人の常識を超えた世界の中に子どもが投げ出されてたとしても、なんとかなるって思ってるんでしょうか??

うーん、どうなるんだろうこれから…

コメント