天気がどえらいことになっているので、家で本を読んでいました。
先日の性教育ドッキリ!?体験をきっかけに、いまの社会の動きはどうなってるんだろうと疑問をもち、勉強中です。

☆ジェンダー入門(朝日新聞社)
新聞社のそれぞれが思想的なものをもっている、ということを最近知りました。
いや、「赤旗」とか「聖教新聞」とか、そういう物凄くわかりやすい思想を持ってる新聞は知ってましたけど(汗)。
これが朝日新聞社から出ているということからしても、右翼勢力の歯止めっぽい内容になっています。副題の「〜知らないと恥ずかしい〜」という言葉からしても。
もしこの本が扶桑社(=産経新聞系)から出ていたら、「ジェンダー入門〜ジェンダーフリー思想の光と影〜」ってなるかもしれないし、世界日報社(=統一教会系…)だったら「ジェンダー入門〜いま暴くジェンダーフリーの虚像〜」ってなってるかもしれない(笑)。
ジェンダーフリーに対する論調を見ると、出版社の論調がわかるような。

この本は大学の講義みたいな口調で、ジェンダー論にまつわるいろんな本を紹介しつつ、わかりやすく語られています。
「男らしく、女らしく、という考えをもつ以前に、男に生まれたのなら男だし、女に生まれたのならその時点で女である。そのものになってるんだから、『らしく』するなんて必要ない」というような内容にすこぶる納得。
「自分」という主体をあやふやにさせつつ「男」あるいは「女」の主体を重視すると、そっちの方が一人歩きしてしまって、自分としての主体性がなくなるって思います。
周囲にいませんか?
「男はさぁ…」という主語がつくと、途端に大言壮語になる男性。
「女はね…」という主語がつくと、途端に似合わぬしおらしさを見せる女性。
こんなこと、以前にも書いた覚えがありますがw

☆壊れる男たち(岩波新書)
さあ、そんなわけで男性が「自分」という主語を脱ぎ捨てて「(動物としての)男」という主語のみによって生きるとどうなるのかしら?ということを説いたこの本。
上記の「ジェンダー入門」の中で紹介していたものです。
何が壊れてるのか?ってことですが、東京都の労働相談担当だったこの本の著者が、セクハラの当事者の男性たちとのかかわりを通して「こいつら、壊れてる!!」と思ったからなんだそうです。

職場内セクハラの実例を読んでいる時は、胸がむかむかするような心地でした。
「何でもかんでも大げさに言う被害者意識の強い女だ」
「スキンシップなんて日常のやりとり。そんなことで騒ぐ方がおかしい」
「彼女を愛してたんだからしょうがない」
等々、失笑を誘う男性側の言い訳がこれでもかと飛び出してきます。

結論としての「セクハラをする男と、しない男」についての言及が少しあやふやな感じがしましたが、トンデモ男の言い分を見てみたい人にはこの本はおすすめです(なんだこれw)。
先の「ジェンダー入門」から横道にそれてこの本を買い、そのまま1日で読んじゃいました。
民間のキッツいところは、こんなところにあるよね〜。セクハラなんて日常茶飯事でありそうだし。ありえねーよ。
幸いにして、私はいまのところ職場ではリベラルで平和な雰囲気を満喫しています。よかったですw

☆「お姫様とジェンダー」(ちくま新書)
著者の若桑みどり先生に関しては、何を隠そう大学の頃にこの人の教養科目を履修しましたww
図象的なもの(絵とか写真とかマンガとか映画とか)からメッセージを読み解くのがこの先生の専門です。フェミニズム論者としても有名です。
これは、女子大生への授業でディズニーのアニメ「白雪姫」「シンデレラ」「眠れる森の美女」を見せ、そこにある女性の描写からジェンダーのメッセージを読み解くというものです。

女の子の多くが憧れるお姫様物語。しかし、そこには伝統的家父長制のもと、男性に依存して生きることを女性の幸せとする強い強いメッセージが潜んでいました。

「鏡よ鏡、この世で一番美しいのはだあれ?」「お妃さま、それは白雪姫でございます」「ムキーーーーッ!!!」のくだりだって、見方を変えてみれば、白雪姫も継母も「鏡(=男!?)」の価値観におもねて生きているということが伝わります。

魔法使いの力で美しいドレスをまとい、王子様に一目惚れされたシンデレラ。しかし、そんなにモテる素質をもってるんだったら、いつまでも「灰かぶり」なんて言われてないで、さっさと外に出ればよかったのでは?何でそこまでして待つ?

魔法の力でお城ごと眠りつづけた眠り姫。王子様のキスで目覚めたってことは、もし来なかったらどうしてたの?ずっと待ちの姿勢かよ!!

ひねくれた解釈で夢を奪うな!との声もあるでしょうが(w)、今考えると、みんなの思い描く夢がそんな画一的なものに支配されている方がはるかに恐ろしいんじゃないでしょうか。
美貌が恋を支配し、男が来るまでひたすら待ち、自分から男を選ぶなんて絶対せず、結婚してオワリ。結婚後なんて知らないし、語りません。
一連のお姫様物語から読み取れるこれらのメッセージは、結構わびしいものがあります(汗)。
思いっきり男目線から見た女の姿じゃないかよと。
まぁ、あくまで「ひとりの女性の生き方の一例」程度なら影響力もないんでしょうけど…。
女子大生の感想も、素直なお姫様信者から真っ向批判するものまでいろいろで、面白かったです。
それと、全身で女の子たちを支持する著者のアツい文体も素敵でした!

コメント

nophoto
mossunn
2006年12月24日17:53

ふむふむ。
ほぇぇ。

nophoto
ほしのすな
2006年12月28日20:05

   なぜ 今 ジェンダーか?
 ジェンダーフリーーって、「男らしく、女らしく」という脅迫観念から、自由に・・ということでしたでしょうか?
 いろいろな人が、いるよな・・・
 でも、本当に 男らしく・・また 男らしくありたいと、念ずるなら・・・それも、いいと思う。
 女の人が、美しくありたいとか、やさしい人になりたいと、願うのも、いいと思う。

 標語というのは、嫌だな・・・。
 今、ほしが、「いいと思う」と書いたことが、なぜか、
 悪いことのような印象を与えるから。

  男が、男らしく、カッコよくしたい・・というのが、いけないような・・・

  女性が、うつくしくて、やさしいのが 悪いみたいな・・・イメージを与えている。

 男らしくありたと願い、生きる人を・・

 女性が 美しく、やさしく、上品に、生きたいと願って

 生きる人を敬うよ。うらやましいと思うよ

 「お姫さまとジェンダー」の段は、物事の本質を言い当ててるみたいだよ。

 白馬の王子願望も・・・わかるなぁぁ。

 女性は、白馬に乗って男性を迎えに行くのを望みません。