この土日、実家に帰っています。
お正月以来帰っていなかったので、年賀状届いてるかな〜と思って。
そしたら、一昨年結婚した友達からニギヤカな年賀状が届いていました。

2006年に夫婦で旅をした場所の写真(夫婦満面の笑みつきww)のいくつかと、それぞれの写真のコメントと、妻作のふたりの似顔絵イラストがおさまりよくレイアウトされていました。
なんだかすんごく楽しそう。仲良さそうじゃんー!
差出人欄も、もちろん夫&妻の連名です。旦那さんにはまだ会ったことがないのですが、この内容だったら連名じゃないほうが不自然でしょう。
この夫婦にもし子どもが産まれたら、3人家族の楽しそうな年賀状が届くんだろうなぁ。
子どもが生まれると途端に子どもの写真だけの年賀状にシフトする人は多いものですが(子どもを盾にしている気がしないでもない…)、彼女たち夫婦はしなさそう。
「3人じゃなきゃ楽しくない」とか言いそう。w
でも、子どもがいなかったらいなかったで、これからも楽しげな年賀状が届いてほしいものだわいと、ニヤニヤしながら思いをめぐらせました。

ふと思う。
年賀状ってやっぱり、「楽しそうな」「自分の」ネタに勝るものはないんじゃないかなぁ。
(その人の中での価値観によって年賀状の受け止め方はピンキリだと思いますけどね。それを前提においた上で。)
どれだけスタイリッシュなものを作ってスマートに年賀の挨拶をしようと、そこに自分の実生活がにじみ出ていなければ、年賀状は単なる印刷パターン集の一部になりかねない。

もしも、「そもそも年賀状なんて形式だけでいいよ。面倒くさい」という人だったら、印刷パターン年賀状で目的は十分果たせるでしょう。
しかし、「年賀状を通じてわたしの何かを感じてほしい」と思っている人は、ちょっとダサくなってもいいから今の自分の姿をそこに表した方が、もらう側は嬉しいんじゃないのかな??ひょっとすると。

ここでの「自分を表す方法」は、できるだけ即物的なものの方がもらう側の楽しさと直結すると考えます。
写真入り年賀状ということでオーバーに例を挙げるならば、自分が精魂込めた趣味の風景写真(でも自分は映っていない)よりも、とりあえず撮ってもらった自分自身の写真の方が、もらう側は分かりやすい。
版画年賀状ということで例を挙げるならば、自分の好きなアールヌーヴォー調のこだわり版画(でもモデルは架空のもの)よりも、見よう見まねで彫った自分のボロスニーカーの絵に「←気づいたらこんなになってました」とか書き込んだ方が、もらう側はクスッと微笑む。
ベタですがベタでよい。いや、ベタの方が10倍上等!!
…こういう私なりの結論が出てきちゃいました。

もらった年賀状を額に入れて飾るような人はそんなにいませんし(いるとしたら、むしろ自分自身の送ったやつだろうなあw)、年賀状を眺めてる期間って短いですよね。
そう考えるとセンスってどうでもいいのかもw。
私自身も、やたらデザインめいた木版画を毎年彫り彫り刷り刷りしていた時期がありましたが、それだけではもらう方はつまらないだろうなということで宛名の面は半分から下を文面とし、さらに下隅に自分のプリクラ写真を貼っていました。どこかに気の抜けた部分をつくらないと、キメキメの年賀状なんて恥ずかしいものがありますので。

年賀状をもらう相手は離れていることが多いという現実を考えると、先にも書いたように「今のあなたのセンスを知りたい」というより「今のあなたの姿を知りたい」という意思の方が強いんじゃないのかな。
年賀状だけのつきあいの人も多いでしょうし、そうなるとカッチョイイ年賀状が届いたところで、年に一度の挨拶なのに相手のセンスの片鱗にだけ触れてどうすんだよと思ったりしませんか。
相手の現況を全然知ることができないじゃないかと。w
「現況だったら、吹き出しつけてコメント入れたから大丈夫だよ」というアナタ。
コメント、確かに結構。でも、相手が見たいのは第一にアナタの姿や形なの!!
この年になってようやくこのことが分かりました。むしろ年齢を追うごとに身につく感覚なのかしら。

自分のセンスと「今の私はこんな感じです」という表現がどちらも優れていれば(例:ものすごく上手い自画像とか、超ナイスバディな自分のグラビアとか…こんなのいないかw)、年賀状としての完成度は高いでしょうけど、もはや年賀状じゃないような気がしないでもない。
それに、ものによってはお寒い自己陶酔の香りがしないでもない(w)。
そうなると、意識してでも「ちょいベタ」な姿を目指さないといけないのかもですね。

まだ間もないことですが、私らのベタベタな「結婚しました」年賀状が届いたことに喜び、いつまでも酒の席で話のネタにする夫の上司(の酔った顔)を思い出しました。
と同時に、年賀状に先んじて結婚しましたハガキを送付していた人には「筆ぐる●」からのテンプレート年賀状を出してしまったことを後悔しましたよ。
ああいけない。来年はがんばります。

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