この間、ゴハンを食べに夫と入ったお店で、明らかにADHD特性な感じの店員さんを見かけました。
(ADHD:注意欠陥・多動性障害の略称。30人に1人ぐらいの頻度で発生しています。小さい頃クラスによくいた「全然落ち着きのない子」は、実はこれだったという見方が最近では一般的になっています。いま、小学校の多くでは一人一人の行動を事前にスクリーニングした上で、そういった子に対しては“むやみに怒らない”個別の支援をしています。)

その店員さんは、
来客に水を持ってくるのを忘れ、テーブルの上を片付け忘れ、
客に呼ばれてあわてて水を持ってきながらテーブルを片付け始めて水をこぼし、
大急ぎでテーブルを拭いてオーダーを取りながらも、そのとき持っていた鉛筆の書きにくさにイライラし、
「すみません」を連呼しながら常に店内をせわしなく歩き回っていました。

その店員さんに向かって怒るお客さん。
ニヤニヤ笑いながら見ているお客さん。
そして、背中をちっちゃくしながら、あやまりながら、バタバタと動く店員さん。
多分この人、褒められたことなんてほとんどないんだろうなぁ。

これがADHDの子たちの将来なのか?と考えると、切なくなりました。
学校ではだいぶ定着してきたADHDに関する常識も、世の中に出たらまだまだ無力なんですね。
まわりの無理解。だけど、まわりの人たちも、どこをどう付き合ったらいいかわからないのかも。
こりゃもう、地道にいくしかない。

その店員さんが持ってきた夫の料理に、つけ合わせがなかったことに気づきました。
「怒らないで言ってね。」
「当ったり前でしょう。」
夫は店員さんを呼びました。店員さんは、つけ合わせを忘れたことに気づいてました。
「すみませんでした。申し訳ありません。」と店員さん。
「いいえいいえ。よく気づきましたね!」夫は結構大げさに褒めました。
店員さんの顔が笑顔になりました。
はぁ。よかった。

減点法で見るんじゃなくて加点法で見ていかないと。
こういうことの積み重ねで、なくした自信を取り戻してもらいたいです。

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